父の「ごめんなさい」の言葉、父の幸せとは・・・

父との同居。それは妻の同意を得て、覚悟を持って臨んだ。
しかし、父は、オムツを履いているが、トイレで用をたす度にオムツの中にトイレットペーパーを入れて、その汚いトイレットペーパーを居間のゴミ箱に捨てる。ウンコが薄っすら着いているものも過去にあった。

  ちなみに僕は三男。なぜ長男と次男がいるのに三男の僕が介護をしなければならないのか。

 妻は若干苛立っているが、僕はもっと強い言葉で、父に注意をしてしまう。父は、よく「ごめんなさい、すいません」と言うようになった。僕が言わせているというのがよくわかる。しかし、小さな子供が一緒に生活している以上、注意せずにはいられない。

 

 僕は、父に「ごめんなさい」という言葉を求めていないし、そう言われると、僕の心は締め付けられるように苦しくなる。本当に苦しくなる。昔、父が普通だった頃のことをよく思い出す。一緒に山にも登ったことがあった。あまり遊んでくれる人ではなかったけど、生真面目で一生懸命に家族を養ってくれた。

 ただ、行動を直して欲しいだけ。過去の記憶、父に育てて貰った記憶を思い出すと、非常に辛くなる。  

  

 この父との同居は正しかったのか。父は以前は実家で一人で生活していたが、その生活が難しくなり、食事をとれなくなったのか、食事を取らないのか、良く分からないが、一人の生活が困難になってきた。そこで、妻と相談して同居を決めた。父を迎え入れるために、自宅も引っ越しをして、広い家を選んだ。施設に入れることも検討したが、孫と生活するのも幸せではないかと、僕なりの考えもあった。

 

 父はいま本当に幸せなんだろうか・・・?

 

 この言葉を毎日自分に問いかけている。しかし、その答えは父しか知らない。