日本全土がブラックアウトする日
北海道では数日間にわたり電力が完全停止した。いわゆるブラックアウト。
もし、日本全土でブラックアウトしたらどうなるだろう。「そんなこと絶対にない」という人もいるだろう。しかし、事実として北海道はブラックアウトした。地震に影響がない北海道内の地域でも電力は数日間供給されなかった。政府も北海道電力も原因不明としている。改めて日本全土でのブラックアウト対策を早急に実施すべきだろう。
その前に、驚愕の事実を話すべきだろう。
7年前の3月11日に東日本大震災で大地震を経験していたにも関わらず、内閣府の災害対策の部局では、非常用発電機の配置状況を全体として把握していない。東日本大震災時にも、電力供給が滞り、各地で停電が起こり、福島原発に電力供給されず「メルトダウン」、「メルトスルー」したことは記憶に新しい。
東日本大震災の経験を踏まえてもなおまだ、内閣府としては、非常用発電機の配置状況を正確に把握していない。災害時には統括的な部署である内閣府が把握している必要性があることは言うまでもない。政府に問い質したら、各省庁に確認しないと分からないとの回答だった。今回は、北海道がブラックアウトしたが、もし日本全土がブラックアウトした場合の被害はさらに数十倍に及ぶ。東京中心とした関東近辺がブラックアウトしただけでも大変なことになる。日本はブラックアウトに対する対策が非常に遅れていることは事実だ。
改めて言いたい。以下のことを政府は北海道地震でどれだけ把握していたのか。
●透析を実施している医療施設では、非常用発電機を配置していたのか?
●人工心肺など生命維持装置を装着した患者などがいる老人施設、医療施設には非常用発電機は配置されていたか?
●それ以外に、電力がない地域で生命維持に困難をきたす人がいたのか。
次回は日本全土がブラックアウトしたらどうなるか北海道胆振中東部地震をもとに分析してみたい。