僕のふるさと
僕にとっての「ふるさと」は、僕の背中をそっと押して勇気づけてくれた町。辛いときや傷ついた時には、その心をそっと癒してくれる。
遠くにそびえる岩手富士、山の木々のセミの声、北上川のせせらぎ、夜の鈴虫の鳴き声、家族の笑い声、全てが僕のふるさとだ。
久しぶりに実家に戻った時、玄関で迎えてくれる母の「お帰りなさい」の声と満面の笑顔。母が私のふるさとだったのかもしれない。いまはもう「僕のふるさと」はどこにもない。
今度はパパが、子ども達の「ふるさと」にだよって、手のひらのカブトムシが僕に話しかけてくる。
今年のお盆もお墓の前で、子ども達と一緒に、静かに手を合わせて先祖への想いを馳せる。爽やかな風が僕の頰を優しく撫でていく。
冷麺とじゃじゃ麺でも食べて帰ろう。